スレコピペその15
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481 :名無し募集中。。。:2008/01/16(水) 02:52:02.45 O
布団に横になり今日の愛理の涙の理由を考える
――兄妹ごっこは終わりです――
自分はそんなつもりではなかったのに…
最初の頃は舞と同じように妹だと思っていた
小さい頃に許嫁という関係になったがその意味がいまいち分からず父親に聞いたら愛理を守れと言われた
その言葉通り今まで大切にしてきた、見守ってきた
だが月日が経つにつれ感情に変化が出た
今まで通り大切だとは思っていたが愛理のことを1人の女性と見るようにもなってきた
将来自分の妻になる女性を愛し守ろうと決意しているのに
気がつけば泣かせてしまった
守ろうとした華奢な体を抱き止められなかった
483 :名無し募集中。。。:2008/01/16(水) 03:16:11.83 O
ふと、先刻もたれ掛かられた時の事を思い出す
あの場でこういう事を思うのはいけないと感じたが胸が高鳴った
愛理からあのような行動をされたのも女性からされたのも初めてで
彼女の温もり、香り
それは舞美の心を掻き乱すものでもあり落ち着かせるものでもあった
しかし、無いと一抹の不安を感じる
こんなにも彼女を欲しているのにそれが伝わらない
何が原因で…
今日だって楽しく話をして笑いあっていたのに…
486 :名無し募集中。。。:2008/01/16(水) 03:46:52.02 O
「舞!愛理に何かしてないか?」
熊井と別れた後、帰宅し舞がいたので問いかけた
しかし舞は「知らない」の一点張りだった
「お兄様は私を疑うんですか!?」
「いや、そういうわけじゃないんだ…」
「あの人の事なんて知りません。部屋に戻ったら勝手に泣いてたじゃない。挙げ句勝手に家を飛び出て…折角遊びにきたのにお兄様まで出て行かれて…私の身も案じてください!」
いつも笑顔で舞美を慕う舞の姿はそこにはなかった
舞も舞美を取られまいと必死なのだ
舞美の様子を見ると二人の仲を裂くのは成功したようだ
だが舞が目の前にいるのに舞美が考えているのはここにはいない人の事ばかり
折角仲違いさせ舞美を独り占め出来るのに肝心の舞美は舞の事など気にしていない
487 :名無し募集中。。。:2008/01/16(水) 03:51:28.80 O
いや、舞の事以上に舞美の心を占める人がいるからだ
「ね、お兄様。そんな事より遊びましょうよ」
「ごめん、舞…今日はそんな気分じゃないんだ…」
疲れていても宿題があってもしょうがないと言って遊んでいたが今はそれどころじゃない
確かに舞も大切だ
しかしやはりそれ以上に大切な人が…
先程大切だと伝えたら泣かれてしまったが
「舞、今日はもうお帰り。叔父様も叔母様も心配なさる」
「お兄様の所に行くと言いましたし遅くなるとも伝えてきました」
どうしても舞美と一緒にいたい舞だが今の舞美には舞の気持ちなど知る由もない
「ごめん…また今度遊ぼう。今日は帰りなさい」
舞を半ば強引に部屋から出し家に帰らせ現在に至る
492 :名無し募集中。。。:2008/01/16(水) 04:10:36.10 O
――大切になんかされなくていい、妹なんかじゃいや…――
――兄妹ごっこは終わりです――
――さようなら…――
ぼんやりと天井を眺めながら愛理からの言葉を繰り返してみるが真意なんて分からない
何より「大切になんかされなくていい」とは?
心当たりがないから舞を問いただしても知らないと言われるし…
本人に聞こうにも彼女はきっと自分と会うことを避けるだろう、そんな予感がする
愛理が涙を流すくらいの酷い事を知らぬうちに自分はしてしまったんだろう…
その事をきちんと謝り自分の本当の気持ちを伝えるしかない
それしか出来ることはないと思う
そう決意し舞美は眠りに就いた
舞美が思考を巡らせている間に夜はゆっくりと濃くなっていた