スレコピペその8

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329 :名無し募集中。。。:2008/01/13(日) 23:14:07.98 O
「舞美、お客様が来ているから挨拶しなさい。」


舞美が帰宅し部屋へ行こうと廊下を渡ると障子の向こうから父に呼ばれた。


「失礼します。」


正座をし障子を開けるとそこには父と貫禄ある男性と異人のような顔の娘がいた
父に紹介されその娘の向かいに座る、その娘はえりかという随分ハイカラな名前の娘で
愛理と同じ女学校の生徒だということだった


「すみませんな、娘がどうしてもお宅の庭を見たいときかないので」


「父が素晴らしいと言っていたので・・・お恥ずかしいですわ・・・」






331 :名無し募集中。。。:2008/01/13(日) 23:45:52.66 O
えりかはそう言いながらも向かいの舞美に視線をチラチラと恥ずかしげに送っていた


「舞美、案内してやりなさい」


そう言われ舞美は素直にえりかを促し部屋の外に出た
「うちみたいな武家の家の庭は珍しいでしょう」


舞美はにこやかにそう言い、屋敷の造りや庭の石などの説明をしていた
おそらく舞美にえりかの先程の視線の意味はわからなかったのだろう
しかしえりかはただ舞美の言葉に熱心に頷き幸せそうに後ろをついていた


うれしくてたまらない、憧れの君がこんなに近くにいるのだ






333 :名無し募集中。。。:2008/01/14(月) 00:17:27.34 O
えりかは父達の部屋に戻ってから気に入ったということを随分言った
相当浮かれていたのだろう
しかし舞美の父の一言で一気に突き落とされたのだ


「有り難い、舞美の許婚の愛理という子も随分うちの庭を気に入っているんですよ」


えりかは自分の耳が信じられなかった
許婚・・・




それが数日前の事、それからえりかは愛理を探し・・・画鋲を入れたのが今日の夕方だった・・


えりかは眠れなかった。舞美とあの時の恐怖に走る愛理が瞼に浮かんでくる


自分のした事への戸惑いとまだ消えない愛理への強い嫉妬がえりかを苦しめていた