「舞美と愛理は許婚っぽい」スレコピペその3

181 :名無し募集中。。。:2008/01/09(水) 01:17:46.81 0


何人もの生徒が興味深そうにえりか達を見ていたし、黄色い声で騒ぐ子もいた
真っ赤な顔で挨拶した礼儀正しい下級生にえりかは優雅に言葉を返す


みんな幼いわ。とえりかは思った


「ほらえりかさん、見つけたわ。あの子よ」 
友人が指をさしたほうを見やる。あれが目的の子だろうか
「あの髪が栗色の子?」   
「違うわ、その後ろの細い子よ」


それはまったくえりかの想像とは違った子だった
例外のように彼女一人だけこちらをまったく気にせず、上品な横顔を見せてなにやら熱心に読書していた


授業時間が近づいていたのでえりか達は下級生達のクラスを後にした
それにしても想い人の許婚を見るのは妙な気分だった




201 :名無し募集中。。。:2008/01/10(木) 01:28:22.13 0


愛理は放課後もまだ帰らずに読書をしていた


「愛理、何読んでるの。」


梨沙子が愛理を覗き込んだ


「わ、びっくりしたー。」


梨沙子は愛理の親友で家自体も付き合いがある
でも病弱で学校を休みがちなので学校より梨沙子の部屋で会うほうが多かった
肌は真白く髪は栗色で外国のお人形みたいだと愛理は常々思っている


愛理は本を閉じた
現れた美しい装丁を見て梨沙子は素直に「きれい」と言って喜んだ
愛理は梨沙子のそういう素直な所が好きだった。嫉妬したり人を見下すところがほとんど無いのだ


「これ外国の童話なの、恥かしいわ。子供が読むものでしょう。」


「そんなことないゆー。私もシンデレラや白雪姫大好き。」


少し興奮気味に梨沙子が言う。彼女はここのところすごく元気だ


「そうね、梨沙子はお姫様がぴったり」


愛理がそう言うと梨沙子は目を輝かせてから愛理の耳元に囁いた


「違うわ。実は私魔女なの・・・」




202 :名無し募集中。。。:2008/01/10(木) 01:29:55.63 0

そう言って離れてから少女二人は笑いあった


「もう。梨沙子はそんなことばかり言って」


そう言うとまだふざけようとしている梨沙子は手を水晶に向う占い師のように動かし始めた


「本当よ、梨沙子何でもわかるもん。・・・・・たとえば・・・その本舞美様から頂いたんでしょう。」




愛理は思わず顔が赤くなってしまった



たしかにその本は舞美がこの間鈴木家に訪れたときにくれたものだった
古本屋で見つけて装丁が可愛らしかったので愛理にと買ってきてくれたのだ
自分のことを考えて舞美が買ってくれた。それが嬉しくてその日は本を枕元に置いて寝て
今日は学校にまで持ってきていた


早く読み終えて感想を聞いてもらいたかったので暇さえあれば読んでいたのだ



梨沙子はにこにこ笑っていた


いつもは抜けたところがあるけれど、たしかに愛理に関して梨沙子はなんでもお見通しな魔女かもしれないと愛理は思った