舞美と愛理は許婚っぽいスレを保存完了…
ただ単に自分が気に入ったから残しておきたかっただけです
まあ微妙に書いてみたりもしたけどね、うまくはいかなかった
次の話に繋げるのとか考えつつまとめなきゃいけないからね…
良い話が思い浮かんだらまた登校しようかと思う



思うだけで留まらなければいいが



大抵そのまま流れるからねw

久しぶりの更新

約3年放置してたのか…
最近また文章を書きたくなってきたから活用しますわ


ちなみに…最近ハマったのはやじすず
マイミとアイリが好きですわ〜
やじうめも良いな…
まぁ、まいみ大好きって事で

んでもってNGPだとかえりほ,みきりほ,まにゃおきゃ,ロビごととかか?


まあボチボチ更新していきます
ちなみに突然更新再開したのは中の人の気まぐれですw
テスト期間中だから現実逃避してんだね…

スレコピペその31

http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1201099914/

118 :名無し募集中。。。:2008/01/25(金) 00:24:25.26 0
友理奈、お前は自分の立場がわかっているのか!?」


熊井はいつもこうして父親に叱られていた。
須藤家との毎月の食事会を欠席するたびに言われた。
茉麻に会いたくなかったわけでも、
須藤家の人々と仲良くなりたくないわけでもない。


「わかっています。」


「わかっていたらどうして来なかった!!」


父親は豪腕な商人であった。
元々は大店の跡継ぎであったが、
武家や幕府に媚びへつらって成り立っていた店でもあった。


しかし、父親の代になると戦争特需とその少々強引なやり口で
熊井家は「死の商人」と呼ばれるようになるが
それに見合うだけの財産を築き、熊井家を名家へと押し上げた。


「…茉麻が、道具のようで…気の毒です」


「…それは仕方ないことだ。お前だってもう子どもじゃないんだぞ。」


そう言われては熊井は黙るしかなかった。だが―――




119 :名無し募集中。。。:2008/01/25(金) 00:31:05.49 0
熊井はふと、初めて茉麻にあったときのことを思い出した。
歳は一つ上だったが、そんなことを気にせず昔はよく遊んだ。
茉麻は包み込むような柔かい女性であったし
友達としても素晴らしい人間であった。


熊井はいずれこの女性と結婚をして、店を継ぐのだと教えられてきた。
だから熊井もそうだと信じて疑わなかった。


「須藤家はここら辺じゃ指折りの名家だ。縁談が上手くいけば…」


「熊井家も、成り上がりだと舐められずに済む…ということですよね。
須藤家は軍需に関しては政府を動かすだけの金も力もある…」


熊井はそれを知ったとき、心底父親を嫌いになった。
茉麻は所詮、我が熊井家の名をあげるためだけの道具―――。


「わかっているのならばちゃんとしろ。わかったな…」




120 :名無し募集中。。。:2008/01/25(金) 00:33:49.51 0
父親はそれだけ言うと寝室へ向かってしまった。
ソフアの部屋に取り残された熊井は、
普段は禁止されているが、そこへ横になるとため息をつくのであった。


「…茉麻…ごめんよ。」


小さな呟きは誰にも聞こえない―――。


「だけど…俺は親父の意のままに生きるなんていやだ…そんなの…
茉麻…今は…ダメなんだ…でもきっといつか……すまない。」


そして熊井はそのまま眠ってしまうのであった。

スレコピペその30

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52 :名無し募集中。。。:2008/01/24(木) 06:36:14.67 0


夜明け前。
雨の音も大人しくなり、部屋は蒼く染まっている。
寝具で眠る舞美の一定の寝息だけが室内に響いていた。
穏やかな静寂のなか、その額にそっと手をあてる愛理。
もう熱は引いているようだ。


――よかった


ほっと安堵しつつも、夜中起きていたせいで自然と瞬きが遅くなる。
うつらうつらとさ迷う意識が、突如はっきりと覚醒する。


――…?


一瞬遅れて、腕をつかまれていることに気付いた。




53 :名無し募集中。。。:2008/01/24(木) 06:42:19.68 0


「舞美さ…」


言い終わらない内に、強く引き寄せられる。


気付けば、舞美の顔を見上げていた。
暗がりでよく表情が読めない。何が起きたのか判らずに、呆然としたままの愛理。
薄闇に慣れた瞳が、目の開ききらない彼の顔を映し出す。
その背後に広がる天井に、押し倒されているのだと理解した。




54 :名無し募集中。。。:2008/01/24(木) 06:49:34.64 0


笑い事にしようとしても、表情が変わることはない。
眼前で頬がふっと緩んだ矢先に、首筋にかかる吐息。
得体の知れない快感が背筋を伝い、全身が毛羽立つ。同時に心に広がる、恐怖。


「い…やっ……」


硬くなった身体を無理やりに動かし逃れようとするも、男の力に適うはずもない。
ワンピイスが肩から落ちた瞬間、愛理の体を本当の戦慄が襲った。




55 :名無し募集中。。。:2008/01/24(木) 06:54:41.45 0


「いや!」


自分でも驚くほどの力が出た。わずかに躊躇いをみせた腕から体をすり抜ける。
寝具から飛び降り、露になった左肩を隠す愛理。
小さな体を震わせながら舞美を見るその瞳は、潤んでいた。
零れ落ちそうな涙をぎゅっと噛み締め、駆け足で部屋を後にする。


扉の外にあったものに足をぶつけてしまい、氷が廊下に散らばる。
痛みを感じながらも、愛理の足が止まることはなかった。




56 :名無し募集中。。。:2008/01/24(木) 07:03:11.33 0


その後姿を、ぼやけた意識の中で見つめる舞美。


「愛理…?」


(私は、何を……)


夢を見ていたことは憶えている。
彼女が傍に居て、自分が笑っていて――それから…?


途切れた記憶の糸に手繰りつつ、窓の外に目をやる。
煙るような霧雨が、しとしとと降り続いていた。




103 :名無し募集中。。。:2008/01/24(木) 20:39:29.68 0


自室に入るなり鍵をかけ、ドア板を背にへたり込む愛理。
体に力が入らない。
短い呼吸だけが、室内を埋めていく。
忘れようときつく目を瞑っても、先刻のことが頭に焼き付いて離れない。


あれは舞美ではなかった。
平生の優しく穏やかな彼はそこには居らず、目に映ったのは一人の男だった。


嫌悪を感じたわけではない、ただ恐ろしかったのだ。まだ知らぬ場所へ進むことが。
だが一方で、成り行きから身を剥がしたことを悔やんでもいた。




104 :名無し募集中。。。:2008/01/24(木) 20:43:57.00 0


(自ら接吻をしたくせに、なんて意気地のない……)


浮かぶのは舞美への軽蔑ではなく、愛理自身への後悔なのである。


茫然自失のまま、化粧台の前にすとんと腰を下ろす。


鏡に映る、頬を上気させた女――まるで見知らぬ人物のようだ。


ふと首筋に目がいく。輪郭の影になった部分、薄赤の花びらが一片舞っていた。
触れてみると、まだすこし熱い。
愛しくも痛ましいそのしるしは、無情にも美しいのである。


「ばか…」


ちいさな呟きの相手は、鏡の中の少女なのか彼なのか、
それは愛理にもわからなかった。




スレコピペその29

http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1199718051/

970 :名無し募集中。。。:2008/01/23(水) 23:48:26.34 0




アトリエの中に雨音が響き始めた。
雨漏りはもう直したのかなとぼんやり思う。


今日も相変わらず、雅はキャンバスに向い、梨沙子はそれを見つめている。


「ねえみや、何書いてるの。」


「んー。」


キャンバスの上のまだぼんやりしたそれはおそらく人間だろう。


しかも珍しいことにきちんと人間の形をしているのだ。
梨沙子にはそれが随分厄介なことに思えた。


「なんかいつもと違うよね、それ・・・男の子・・・?」


多分違うだろうと思いながら梨沙子は小さな声で聞いた。


「いや、女の子だよ」


「・・・そっ、かあ・・・」


やっぱり。
そう思いながらも梨沙子は一瞬自分の喉が詰まってしまったかと思った。
普通に返したつもりだったのに、まるで身体が固まってしまったようにぎこちなかった。




971 :名無し募集中。。。:2008/01/23(水) 23:48:37.39 0
「・・・お父様に頼まれた絵・・・?」


「いや、町で素敵な子見つけてさー、描きたいなって思って。」


雅はにこにこしながら言う。


もう梨沙子はまっすぐ雅を見れなかった。
頬の中がツンと酸っぱくなり、鼻が痛くなっている。
あと一秒でも長くここにいたら泣いてしまう。確実に。


「もう行くね。」


そういって背を向け急いで外へ出る。
扉の音を後ろに聞いてから、冷たい雨の空気を大きく吸い込む。
鼻腔を冷やされ少し楽になった。




――私は泣き虫のはずなのに、何回かみやの前でも泣いたことあるのに


なんで今日はわざわざこんな場所で泣いてるのだろう。




972 :名無し募集中。。。:2008/01/23(水) 23:49:15.36 0
梨沙子はずぶ濡れでぼんやり歩いているところを家政婦達に見つかり、
体中揉みくちゃに拭かれた後布団の中に入れられた。
幸運なのか雨と涙が一緒になって涙は誰にも見つからなかった。


やわらかい布団の中でひとり雅のことを思い、また苦しくなった。
なんでこんなに寂しいんだろう。苦しいんだろう。


梨沙子はふと愛理に会いたいと思った。


こんな風に床に臥しているとき、大抵愛理が訪ねてきてくれた。
今は病気ではないはずだが気分はその時以上に沈んでいる。




そういえば今愛理は舞美と演劇を見て幸せにしてる時間のはずだ。
そう考えると少し楽しくなった。


――明日会ってお喋りすればこの寂しさなんてきっと消えるよね




しかし瞼に雅が浮かび、心に波が立ったようにさざめいてなかなか寝付けなかった。