ちょっと保存

――やはり今日も来なかった

なぜか仕方のないような気持ちを持ちながら舞美は土手から沈む夕日を眺めていた
愛理への手紙を人に託してからもう何日が過ぎただろうか
彼女が自分のことを嫌いになったなら待っていても無駄だと思う
そう思うのに期待があるから待たずにはいられない
愛理はきっと来てくれる、そう信じて待つしかなかった


手紙を書いたはいいものをこれを誰に託そうか悩んでいた
熊井は事情を分かっているから頼みやすいところだが最近どうも様子がおかしい
口に出してはいなが許婚と何かあったようだ
そのため信頼できる人物だが今回ばかりは託せそうになかった