徳永×夏焼
一年に一度の誕生日。
誕生日の捉え方も人それぞれ、プレゼントの中身も人それぞれ。
「千奈美ー。誕生日おめでとっ!」
千奈美に話しかけてきたのは夏焼雅。
雅はこういう事には抜け目が無い。というかきちんと覚えている。
桃子などは結構忘れがちなんだが…。
「ありがとー」
「あ〜千奈美、年上かぁ」
「えへへ、みやより年上ー。」
「おばさん」
「ちょっと、夏焼さん。今何か言いましたか?」
「え?いやいや、別に何もぞんじてませんよ、徳永さん。」
多少の憎まれ口でもおどけて返せる雅。
やっぱりひょうきん王はダテじゃない。
「あ、そうそう。はい、プレゼント。」
「今、ちょっとわすれてたでしょ?」
「………わすれてません。」
「ちょっと今の間なにー?」
忘れてはないけど、千奈美と話してたら渡しそびれたんだろう。
すぐに千奈美に渡す。
「これでもちゃんと選んだよ〜」
「え?ホント?みや、ありがとう!ところで中身って?」
プレゼントを開けながら千奈美が問う。
が、聞きながら開けてるので当然答えが帰ってくる前に中身が分かるわけで…。
「………」
「え〜っと、鮭とばでしょ。それと柿ピーと小ナスと…」
「ようするにおつまみ…だよね?」
「うん。千奈美好きでしょ?」
「う、うん、ありがと…」
ー夏焼さん、お願いだから誕生日の日ぐらいおつまみから離れてくださいー
心の中でひたすら思う徳永千奈美、13歳でありました。